約半年前から個人レッスンで通われている受講生の話し。
過去数名の四柱推命で占ってもらったが、その全員に特殊な命式で個性が強く人間関係のトラブルに遭いやすいと言われていたそうです。
しかし、ご本人の実感や私が接している印象からはそのようなことは感じられず、むしろ気遣いのでき誠実な方のように思えましたので、ご本人に了承を得て出生データを教えて頂き拝見しました。四柱八字(命式)は以下のとおりです。
この四柱八字を観ますと、年月日刻の天干が全て比劫が揃っています。
比劫とは以下の通変図で観ますと日干と同じ五行のことを表します。
比劫は「日干=自分」と捉えますので自分に対する意識が強いものの、それと同時に他人に対する意識が低いと判断します。
確かにそういう比劫が天干に揃っていますと個性が強く人間関係のトラブルに遭いやすいと言いたくなる気持ちは分からないでもないです。
また、格局という分類法ではこのような形を天元一気格と言い一部の流派では画一的に特殊命として判断しているようです。
しかし、それは一部分であって蔵干との関係をみますと様相が変わってきます。
まずそれぞれの干が両隣と下のみに影響するという前提でのお話になりますが、上記画像では年支蔵干と時支蔵干に[丙]があり、それぞれが上(年干、時干)にある[辛]を相剋しています。これにより日干に対して直接的・間接的に影響を与える[辛]は月干のみとなります。
したがって、日干に対して比劫が1干だけ影響を与えるのはごく普通のことですので決して特殊な四柱八字にはなりません。
なお、[丙]が大運や蔵干で[壬]が巡り相剋されますと年干と時干[辛]は影響してきますが、大運や流年の1干で年支蔵干と時支蔵干[丙]を同時に相剋することは不可能ですし、大運と流年それぞれに[壬]が巡り[丙]を相剋したとしても日干を含んだ[辛]が[壬]に洩らす(生じる)形で日干が程よく弱まりますので、日干が強くなりえることはありません。
最後の方の説明はやや上級な話になってしまいましたが、このように大まかなパターンだけでは実証的に見誤ってしまうことがございますので注意しないといけません。
四柱推命〔集中〕講座(第2土曜コース)は諸般の事情により5月14日開講に変更となりました。
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