断易〔五行易〕を学ばれると必ずこの壁に当たります。
それは用神です。
そもそも用神とは何かと申しますと断易で判断する時に主として観ていくもので、占うテーマの対象となる人や物によって異なります。また、同じものであっても捉え方によって用神が変わります。
用神は下記にある六親(兄弟、子孫、妻財、官鬼、父母)ならびに世爻、応爻から選びます。
六親図
断易〔五行易〕では用神を決めないと吉凶のみならず状況判断ができません!!
これは同じ卜占である周易やタロット等にはない考え方ですので、それらの占術に触れてきた方にとっては煩わしかったり難しく感じたりすることがあります。
しかし、逆に言うと用神が分かれば判断しやすい占術と言えます。
用神はその対象の役割で考えていきます。
断易や五行易のほとんどの書籍には用神一覧表が付いており、これを見れば何でも占えるように思われがちですが、時代により新しく出てきたもの(例えばスマートフォンやAI機器等)は書かれていませんし、また書かれている人・物であっても実際断易で占ってみると状況が合わないことがありますので理論的に考えないといけません。
用神には六親と世爻・応爻がありますが、そのうち世爻は自分もしくは依頼者、応爻は特定の相手や対象者と決まっており、それ以外の事象については六親から選定します。この六親には上記図に矢印が記されており、これは五行の相生・相剋と同じ役割とします*1。この相生・相剋があるために象意の幅が広がります。
六親から選定する場合は以下の2パターンがあります。
①『我』を始発点するパターン
我とは上記六親図には書かれていませんが兄弟の位置にあり、そこを始発点に考えます。
我と同じ六親=兄弟*2
我が相生する六親=子孫
我が相剋する六親=妻財
我が相剋される六親=官鬼
我が相生される六親=父母
例えば、書物は自分に知識を与えてくれる(=相生される)役割から父母、パソコンやスマートフォンは自分が使用する(=相剋する)役割から妻財となります。
②六親を起点するパターン
これは①の我の位置に六親が入るバターンで、例えば治療薬は病気である官鬼が抑えされる(=相剋される)役割から子孫となります。
①につきましては六親の役割が分かればさほど難しくありませんが、②につきましてはどの六親を起点にするかで想像つかないような六親が用神になることがあります。
用神占例:経営している飲食店の今後の状況
飲食店の経営者からのご相談で、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言の影響により売上がかなり減ったとのことでした。
用神は今後の売上状況を観ますので妻財とします。これは前述①のパターンです。
妻財は三爻と上爻と2爻あり、日辰から相生され長生もありますので力があります。
さらにこの場合は売上を生み出す視点が必要で、それは妻財を起点に相生される六親である子孫となります。これは前述②のパターンです。
子孫は初爻の伏神にあり月建からは相剋されているものの日辰から比和しているため力があります。
したがって、この占例では用神である妻財ならびに子孫が日辰から強められていますので先行きは明るいと判断致します。
断易〔五行易〕講座(第3土曜コース)が11月21日より開講いたします。
まだ席が残っておりますので初めての方から過去断易や五行易を学ばれたことある方までお申込みお待ちしてます。
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